タイムマシーン
先週の事。
我々「the Loser」のリハーサル日は大体決まっていて、毎週火曜日の日中はスタジオにこもりっぱなしになる事が多い。
先週も例に漏れる事なく、早起きしてその準備をしていた。
新曲をいくつか用意していたので、音合わせが楽しみだったから、目覚ましに起こされる事なく自然と目が覚めた。
ジャガーから鳴り響く和音が、朝の冷えた空気に鳴り響いて、
色取り取りのランドセルが我が家の前を通過する時間に差し掛かった頃、ふと思い出したようにiPhoneを手に取り、地元新潟で暮らす友人に連絡をしてみた。
風の噂で結婚する、って話を耳にしたもんだから、
祝福ついでに冷やかしでもプレゼントしてやろう、と企んだのだ。
電話口で5分程度話し込むと、
その3時間後にその友人は東京の街へ来る事になる。
新幹線に飛び乗って、会いにきてくれる事になった。
思いつきのような、インスピレーションのような…
どっちとも言い難い行動だけど、これも若さか。
けど、ただ再会出来る事が嬉しかった。
リハーサルの楽しみと、友人との再会と。
ふたつのワクワクを鞄に詰め込んで、リハーサルへ向かう。
この日はボーカルの慶基が不在だったため、主に新曲のアレンジメントを中心に時間は過ぎていった。
途中、ドラムの塚野がバスドラをを突き破ったり
新曲も形になってきたし、とても良い曲になりそう。
早くライブでみんなに聞かせたいなーって本当に思う。
リハーサル後は、片道300㎞を移動してきた例の友人と塚野、三人で飲んだ。
久しぶりの再会は時間を超えて、若かった頃がついこの間のような錯覚に陥る。
もしもタイムマシーンがあるとしたら、それは物ではなく人だと思う。
塚野お手製の塩ちゃんこ鍋とサバの竜田揚げをつまみながら、
話も食欲も尽きない夜はあっという間に過ぎていった。
思い出の数だけ、しんどい事や辛い事もあったけど…
こうして笑い合える今があるって事は、それらを乗り越えてきたからだ。
胸を張って堂々と今を生きていれば良い。
消えない悲しみと同じ分だけ、消えない喜びだってある。
これからもそれらは増えていくし、大切にしていかなくちゃ。
君と過ごしたこの一瞬、一秒
積み重なってお揃いの記憶を作る
そうして出来た未来を照らす灯りが
真っ暗闇でも大丈夫、過去が未来を照らすから
by The One Ster / the Loser
ちなみにその頃、ボーカルの慶基からはこんな写真が送られてきました。
妖怪人間。
あぁ、おれも早く人間になりたい。